出愛いの里福祉会

2025年02月

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子どもの貧困について

この国は一体いつから、こんなことになってしまったのでしょうか。先進国と呼ばれる、この日本で「子どもの貧困率」が、何と11.5%。実に9人に1人が貧困状態にあります。これは先進国の中でも最悪のレベルです。信じられないかもしれませんが、これが現実なのです。

出典:こども家庭庁 令和4年国民生活基礎調査 / こどもの貧困率の推移

 

貧困が子どもへ及ぼす影響は大きく、学費の支払いが困難なために高校や大学への進学を諦める。やりたい仕事に就けないなど、子どもたちが夢を諦めなければいけない現実があります。また、こうした子どもたちは日々の食生活も不規則な場合も多く、成長期の子どもたちの健やかな成長に支障を来たしてしまいます。子どもの貧困は勉強の機会を奪うだけでなく、将来の人生をも変えてしまうのです。

 

ところで炭鉱夫が坑道に入る際、鳥かごにカナリアを入れて連れて行ったそうです。炭鉱内に発生する有毒ガスに、カナリアは人間より先に敏感に反応します。常に鳴き声を奏でていたカナリアが鳴き止んだ時、炭鉱夫たちは有毒ガスの危険を察知し、炭鉱夫の命を守る役割を果たしました。社会の矛盾や歪(ひずみ)の最初は、モノ言えぬ、一番弱い所から現れます。子どもの貧困問題は、正に現代の『炭鉱のカナリア』であり、この国に何らかの危険が迫っていることを知らせるサインを示しているように思えます。決して他人ごとではありません。

 

子どもは未来の宝です。子どもが将来に向かって無限の可能性を信じ、夢と希望をもって生きられる社会こそ健全な社会です。現代を生きる大人の責任として、また社会的課題を解決するため設立したNPO法人の一員として、子どもの貧困問題に対しても何が出来るのか、考えていきたいと思います。